おきつね神社
全てを土で覆い、その上に立ち、
何度も何度も何度もジャンプして土を固める。
息が上がる。
這い上がってこられないように土を固め、踏み鳴らす。
汗を垂らし鼻水を流しながら、ススキが重なり合って擦れる音、夜空に鳴く鳥の鳴き声も耳に入らない。
土に手を当て、確かめる。
中から叩く音はしないか。這い出そうと土をかく音はしないかを手の平に神経を集中させて確かめた。
何時間か何十分かそうしていたか分からない。
最後まで片付けないと。と、半ば無意識にまわりと一体化するように、同じように芝を敷く。
あたりに誰もいないことを確認し、ふらつく足で神社の方へ戻り、社の中にスコップを隠し、振り向くことなくきつね神社を後にした。
洋介は金輪際二度とここには近づくまいと固く心に決めた。