おきつね神社
黒い布を垂れ流したような柔らかな闇を纏った空、
静まりかえった空き地にはなんの音もない。
ぽつぽつと小さい丸い穴を芝に開けながら社から穴の中に落とされた達也の埋まっているところに歩く何かがいる。
穴の周りを嗅ぎ、かりかりと芝をかき、くるくると回りながら、鳴いた。
黄金色の長い尾は楽し気に夜の宙に金色の線を描いていた。
社の中からは同じように輝く黄金色の毛をなびかせながら、
何匹も何匹も何匹も、
同じモノが穴の方に向かって歩いてきた。