おきつね神社

彼は夏休みの間に友達を一人殺めた。

スマホゲームの仲間だった友達がほかの友達の仲間になり、自分と対峙して自分を倒したというお粗末極まりないのがその理由。


通称、『おきつね神社』


地元の子供たちにはそういう名で知られていた。

神社のまわりは子供の身長よりはるかに高いススキで覆われていて、両手でかき分けて行かなければたどり着けない。

外から見たらこんなススキ林の中に神社があって、その中に小さなお社があるなんて想像もつかない。

大人はむしろそんなところに何かあるなんて全くもって考えもしないような場所。

こどもだからこそ見つけられる。そんな場所だ。
< 4 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop