おきつね神社

約束の時間にススキを抜けてガランとした空き地に来た達也は、空き地の隅に佇むきつね神社の中の小さな社のところに洋介がいるのを確認した。

手入れのされていない伸びきった芝生の上をゆっくりと歩く。

洋介は神社の方を向いて何かをしていて達也が来た事に気づかない。

「おーい、洋介、なにす……わっ!」

最後まで言い切らないうちに突如として達也の姿が消えた。

直後、土が崩れる音がして後ろを振り向けば、枯れ草色一面の芝生の中に不自然に空く穴が一つ。


「なんだよ達也来んのはえーよ。落ちるとこ見逃しちゃったじゃんバカ」


手に持っているのは大きめのスコップ。

にたら笑む右の口角が不自然に吊り、首をカキっと鳴らした。

のんびりと楽しむように歩きながらくるくるとスコップを回す。

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