おきつね神社
「ふざけんなよおまえったく。よくこんなん掘ったな。てか早く出せって」
笑いながら手を伸ばす達也は足をくじいて立ち上がるのに苦労していた。
顔をしかめ、冷たい土壁に手をつきながら立ち上がった。
「てかおまえこれ深すぎるだろ。落ちたら一人じゃ上がれねーし。だめだろこれは。どう考えても無理だろ。はは」
おしりについた土を払いのけて、
「てかまじこれ洒落になんねーって。女子、泣くぞ」
「大丈夫だよ」
「だめだろ」
「だってこれ、上がれないための穴だから」
「……は」