おきつね神社
「お前はここから出られないんだよ」
「ふざけんなよ。こえーわ。俺を怖がらせてどーすんだよ。ほら。手ー貸せって。俺足くじいたくせえし、ほら!」
痛めた足をひきずりなんとか歩く。
縦2メートル、幅1メートルくらいの穴の中は冷たくて怖い。棺桶のようだ。
薄暗くなった空と洋介の顔の影が重なり全身に鳥肌がたった。
洋介の顔は暗くて表情までは分からないが、口許は三日月のように光っていて薄笑いをしているのを感じる。
怖い。
達也は心の底から友人を怖いと感じた。