おきつね神社
「達也、おまえが悪いんだよ」
「なんだよなんなんだよ、どうしたんだよ!」
「ゲームだよ。覚えあんだろ」
「ゲーム? ああ、あれか。それがなに? たかがゲームだろ」
「たかが? ふざけんな、お前と俺は仲間だったろ? 一緒にラスボス倒すって約束してただろ。なのになんでほかの奴と組んで俺の事倒した? そんなこと聞いてねーぞ。そのおかげでまた少なくなったんだぞ。なんでだよ!」
「あ?! バカか、おまえは! なんなんだよそれ。くらだねーふざけんな。あほか! そのことなら心配ねーよ。ほら出せ!」
「何が心配無いんだよ。俺ら、チームだろ!」
「チームだよ。一緒だろうがいつも」
「なのに、なんで。向こうのほうが強かったのか? だから俺を裏切ったのか?」
「ちげーよ、そんなことしねーよ。ほら出せって」
「してんだろ!」
「してねーよ!」
自分が聞いていることにちゃんと答えない達也に裏切られたと感じた洋介はスコップを持つ手に力を込めた。
「……俺はお前を信じてたのに」
「ゲームのことでむきになるなんておまえは小学生か! ゲームだぞ!」
「……大切なゲームだったのに」
「わかってるよ」
「……わかってないよおまえは」
おもむろにスコップの柄の側を達也に差し出した。
達也がつかまろうとしたその瞬間、
力の限りに達也の頭を殴りつけた。