君色のソナチネ
「ーーーーーそれって恋でしょ。」
へ?
…これが恋。
…恋かぁ。…恋ねぇ〜。
ん?
って、
「そんなわけないじゃん‼︎私が神峰に恋するなんてぜーったいありえないからっ‼︎」
というか、今までピアノが私の彼氏なんだと言ってきた手前、それを認めるなんてことできない。
なんか、バカにされてる気さえする。
悩み聞いてもらってるんだから、こんなこと思っちゃいけないんだろうけど。
「純怜は、今まで恋した経験ないんでしょ?」
へ?そりゃあ、いつも言ってる通りだよ。
「じゃあ、そんな、''恋する''コトを経験してない純怜が、これは恋なんかじゃないって言えないでしょ。恋、知らないんだから。」
「ゔっ。」
ごもっともです。はい。
「純怜、それ、世間一般的には''恋''って呼ばれてるんだよ。」
「でも例え、そうだとしても、私が神峰に恋をするなんて絶対にありえないッ!」
「あらら、何で、そんなに認めたくないのよ?」
だって、だってさ、
「…なんか恋するってコト自体、私のプライドが許さないっていうか…。
ピアノと二股かけてるみたいで、すごく嫌なの。
とにかく、恋する自分なんて許せないのッ‼︎」
「ふぅーん。
…純怜が、恋することについて、どんなイメージを持ってるのか知らないけれど…
…恋することって、穢いモノじゃないよ?
それと、唯一無二の感情っていうか、他の物と交わらないモノだと思うよ?」
「…どういうこと?」