君色のソナチネ









ーーーーーなんとも命令じみた、コジツケがましい、華菜からの言葉は、意外にもすんなりと私の心の中に落ちていく。



「それに、純怜。
恋したら、ピアノの表現の幅、広がると思うよ。」



「おぉ!それはいいかもっ‼︎」




もう恋する事にこれっぽっちも後ろめたさなんて感じない私は、冗談めかしてそんな言葉を言う。


まんざらでもなく思ってるんだ。



「…恋かぁ。」



「なぁに、純怜、私のおかげで恋する気になったの?」



「うふふ、それはどうかな。」



まだ''そうだよっ''なんていう勇気はないけれど、それらしい気持ちになってるんだって、華菜に伝えたくって、



「華菜、ありがとう。
なんか、悩んでたこと、吹っ飛んだよ‼︎」


そう、言ったんだ。














…あれ?
ってか、










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