君色のソナチネ




…ん?

いや、まてまて、さっき、聞き流せないことをさらりと言われた気がしたんだけど。




「''いつにも増して''ってなんだよコノヤロー!自分が不細工なことぐらい自覚してるんだから少し傷つくじゃないかー‼︎。」




君たちの言葉や表情のせいでいろいろ妄想が膨らんだんだよ、悪いか!

音楽家は想像力豊かなんだよーだっ!

ついでに感受性も豊かだから傷つきやすいんだよーだっ!




自分で言うのは絶対間違ってると思うし、全くもって傷ついてないんだけど、この際だから心の中で思いっきり言ってやる。

いや、少しだけ言葉にも出すぞー!
2人に小ちゃなダメージを与えてやるー!




私はなんて子供なんだと思いつつ、微笑みを浮かべながら次の一手の作戦をねっていた。




「純怜ってホント無自覚で天然だよね。」


「うんうんっ。」


「残念な美少女って感じ?
言葉遣いとか、動作とか、本当に残念。」


「それそれっ!
黙ってれば凄く可愛くって、綺麗なのにね。」




なんて2人がいっていることには少しも気づかずに。




「おはよー、ほらお前らさっさと席につけー。」




そうこうしていると、時間が経つのは早いもので、担任が朝のHRの為に教室にやってきた。




この担任、正直言って、ちょっと苦手なんだよなぁ。




声楽家のくせに言葉を発するときは、演奏以外いつも棒読みなことに無性にイライラしてしまう。




あ、声楽家なのは関係ないかも?
ただ単に苦手意識を持ってるからからそう思うのかもな。


< 11 / 278 >

この作品をシェア

pagetop