君色のソナチネ
ー純怜sideー
どうしよう、どうしよう。
そんな思いばかりがよぎって、何が何だか分からなくてしゃがみこんでいると、いつの間にか神峰に背中をポンポンされていた。
先に帰ってといったはずなのに、なんでいるの。
いくら好きだと思っても、何故か最近優しくしてくる神峰にはまだ慣れなくて。
頭は既にいっぱいいっぱいになってるんだから、ドキドキする余裕なんてどこにもないよ。
そう思っていたけれど、身体は素直で。
心を包まれるような安心感に、思わず身を預けてしまう。
不思議と、ドキドキはしない。
それが、今本当に私には余裕なんてないコトを実感させる。
頭が整理されてくるにしたがって、どんどん生まれてくる罪悪感に、また涙があふれる。
クラスのみんなに何て言おう。
先輩方に顔合わせられないよ。
なんでもっと早く気づかなかったのかな。
なんでもっと真面目に会議に参加しなかったのかな。
どうしよう、どうしたら間に合う?
私って本当にバカだぁ。
後悔してもどうにもならないのに、そんな思いばかりが生まれては消え、生まれては消えていく。
そんな思いと呼応する様に、涙も流れ続ける。
でも、本当は、
「お前の涙、いつ止まるんだよ。
いい加減泣き止まねぇと水分無くなって干からびちまうぞ。」
そう笑いながら言ってくれる彼に1番申し訳なくて、話したら嫌われてしまうんじゃないかと思うと怖くって、涙しているんだ。