君色のソナチネ





木と段ボールで作られたそれは、手作り感が出ていて良い具合にお洒落で。


まさかと思ってみんなの間をすり抜け教室を見渡すと、そこには''教室''ではなくて、''森''が広がっていた。



「っ………‼︎」



いろいろな感情が一気に押し寄せてきて、言葉を出したいのに、それが出来ない。


言葉の代わりにでてくるのは、涙で。


感謝を一番に伝えたいのに、こんな時になんで涙なんかでてくるのかな。本当に、悔しいよ。


そんな時、


「皆、ありがとう。」


いつのまにか私の隣に来ていた神峰が、私の肩に手を置きながら、感謝の気持ちを言ったんだ。


''こいつの口、今使い物にならねぇみたいだから、代わりに俺から礼を言わせてくれ。''


そう言いながら。


私の知らない間に、みんながこんなにも準備をしてくれていたなんて。


「なんで、こ、んなっ…」


そんなことを思ったら、出てきたのは感謝の言葉ではなかった。


「もう、純怜のバカ。泣きすぎよ。」


華菜が私を抱きしてめてくれる。


「神峰君から頼まれたのよ。」


神峰に?



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