君色のソナチネ



そういう訳で、2人きりになった私達。



「いくか。」

それだけ言って、歩きだした神峰を後ろから追う。


後ろからみても、あなたって輝いてるよね、神峰君。


あーぁ。

周りの目を気にせずに神峰といれるのもあと僅か。

なんだか、神峰とこうして歩けていること自体奇跡なんじゃないかと思ってしまう。

今、一緒にいれる時間を大切にしよう。



もう一度神峰の方を見る。


マフラーに顔を埋めてる。

ポッケに手を突っ込んでる。

耳と頬と鼻を赤くしてる。



ふふふ、カッコいい。


でも、神峰がその容姿じゃなかったとしても、私、神峰のこと好きになってた自信アリアリだからね‼︎


とんだ俺様だけど、しっかり者で、優しくて。

みんなの事を考えながら、でも決してお節介をやくわけでなく、困ってたりピンチになってたりするときに手助けする。

それも、相手は''助けてもらった''っていう風には感じないんだよね!

''なにやってんだよ、ドジ''

なんて言いながらさらりとするもんだから。


それを意識せずにやってるのか、気遣いからやってるのかは分からない。

けれど、私は、そんな神峰に凄く憧れてて、心からカッコいいなぁって思うんだよ。






「何やってんだよ、お前また気飛ばしてただろ。早く来い。」

後ろにいる私の方へ振り向いて、気怠そうに立ち止まる。

正解。神峰のこと考えてたんだよ。



ねぇ、神峰?
私、こんなにもあんたに惚れたんだよ〜‼︎
責任とってよね‼︎



なんて言えたらどんなに心が軽くなるのかな。

いや、もっとドキドキして苦しくなる?




「へ?」




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