君色のソナチネ
そうして、近所の100均に着いたのはいいんだけれど…、
「なに買うか忘れた。てへっ。」
「おい。
なにが''てへっ''だ。全然可愛くない。
メモぐらいとっておけ。」
ガーンっ‼︎
可愛くない、可愛くない、、可愛くない…
うぅぅぅ……
好きな人からの''可愛くない''はとてつもなく強力な攻撃です。
HPが1しか残ってないよ。
あと1減ると瀕死です。
「ほら、早く行くぞノロマ。」
そういって、頭ポンポンされました。
''ノロマ''に少し傷つきつつも、頭ポンポンで、HP全回復です。
恋してる女の子って、単純なんです。
想いを寄せてる人の言動で一喜一憂出来るんです。
日本のすべての男子よ、覚えておけ。
はっはっはっー‼︎
「お前、顔キモいぞ。」
はい、今回は自分でもそうではないかと思っておりました。
そう言いながら、小さな紙に書かれたメモを渡してくる神峰。
えっと…?
接着剤とテープ、それに絵の具…ね。
あっ、あったあった〜‼︎
レジで精算をすませる。
「神峰、帰ろ〜‼︎」
そう言うと、
「は?もう?」
驚きながら目をぱちくりさせている。
「なんか他に買いたいものでもあった?」
「いや…。じゃあ、帰るぞ。
送るから。」
「え、いいよ、悪いじゃん。」
「いいから黙って送られろ。」
送ってもらうのは気が引けるけど、もう外も真っ暗だし、暗いの嫌いだし、送ってもらおうかな。
「ありがとう。」