君色のソナチネ
「奏くん、またいらっしゃい!」
「はい、また来ます。」
玄関を出て。水姫家の広い庭を門まで歩く。
大丈夫だと言ったんだが、''いや、門まで送らせてよっ!''といって、純怜がついてきた。
「なぁ、純怜。」
「ん?なぁに?」
そうやって見上げてくる純怜。
「お前のじいちゃんとばあちゃん、とっても暖かくって優しくて、懐でかくって、いい方だな。」
''うん。''そういって笑う彼女。
照れながら頷く純怜が可愛すぎて思わず抱きしめたくなるが、それは気持ちを伝えてからにしようと思いとどまる。
「星がきれいだね〜‼︎」
俺の隣で言いながら目を輝かせている純怜。
「あぁ。」
絶対俺がこいつを幸せにしたい。
そう思った。
降り注そそぐかのような星々が2人を見守っていたーーーーー