君色のソナチネ
「お願いします。
私の気持ちをあいつに届けてください。」
文化祭の成功を祈るのもそっちのけで、私は自分勝手な凄く他力本願な願い事をブツブツ呟いてしてしまっていた。
「あっ、違う違う。
ミュージカル、カフェ、そして、空丘祭が成功しますように。」
こっちが、本当の願いです。
いつも私を助けてくれた、みんなの笑顔を見たいです。
お願いします。
そうやって、時間が許す限り、流れ星にお願いするように、祈っていた。
……………7時半か。
さて、子供達の合唱も終わったみたいだし、そろそろ帰ろっかな。
そう思って、教会を後にする。
…
…あれ?
そういえば、どうする?
私、どうやって帰るんだろ?
道、思いきり迷ったし、ここがどこだかさっぱりわからない。
困った。
「おい。」