君色のソナチネ
しばらく歩くと、見覚えのある景色。
「あれ?ここって、学園…?」
しかも、裏門?
「あぁ。」
「もしかして、私、裏門から出てたの?」
「そうなんじゃねぇの?お前のことだから、ありえるのかもな。ここの学園、ご丁寧に裏門まで正門と同じくらい豪華にしてあるからな。間違えてもおかしくねぇかも。まぁ、普通、間違えねぇけど。」
そういって笑う神峰。
「なんだ、そうだったんだぁ。
学園の裏も、一本道なんだぁ。
知らなかったなぁ。」
「どうしたら裏門からでるんだ?お前の頭の中を見てみたい。明日から、1人で帰るなよ。俺がお前を家まで送る。」
え?
「それは流石にだめだよ!迷惑でしょ?」
みんなの目も怖いし。
そう思ったのに、
「こうやって迷われる方が迷惑だ。黙っておくられろ。」
そう言われてしまったら、なにも言えないよ。
「うん、ありがとう。」
明日から毎日、帰りは一緒にいれるんだ。
もう神様は願い事を叶えてくれるのかな。
「あっ、そういえば!」
「何だ?」