君色のソナチネ





…のはいいのだが、
じいちゃんが理事長だよ。
そんな事をさらりといいやがった純怜。


おい、まじかよ。
かなり衝撃的なんだけど。


中学までじいちゃんが仕事やってるの気が付かなかっただと?

気づけよ!



あぁ、だからあんなに家が広いのか。
肉も霜降りなんだな。

納得。



理事長の孫なのに、あの教会しらなかったのか?というか、この街では知らない人はいないと聞いたぞ?

純怜は何故知らないんだ?



納得できたのは僅か。

また純怜の鈍感さに驚かされ、疑問が次々と湧いてくる。


その後もおじいさんの事をいろいろ話してはくるが、どれも筋違いで腑に落ちず、結局俺の疑問は置き去りだ。


気が付いたら純怜の家を出て、歩き出している俺。

くそ、後味が悪いじゃねえか。

今度聞き出してやる。

そう思いながら、自分の家へと歩みを進めたーーーーー



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