君色のソナチネ




「空丘祭の開催を、今ここに宣言します。

今までの成果を出し切って下さい。

そして、見せつけましょう、空丘魂ーー‼︎‼︎」





柏木先輩の気合の入った声がホール空丘に響く。



先輩の声にこだまするかのように、全校生徒からは歓喜の声があがり、ホール全体が震えた。



やっと、いや、ついに空丘祭が始まるんだ‼︎

待ちに待った空丘祭。

クラスの一員として、

実行委員の一員として、

空ヶ丘学園の一員として、

絶対成功させたい!




私たちのクラスは出番が2年の最後でトリだから、それまで客席で他のクラスの出し物を鑑賞するんだ。



さっそく、柏木先輩と相園先輩が司会で生徒を沸かせる。

相園先輩が司会するなんて、大丈夫かなぁと思ったけれど、心配いらなかったみたい。

柏木先輩の司会をうまくフォローしながら、笑いを取っている。

そういえば、柏木先輩と相園先輩のコンビは最強だったな。

流石先輩達。




そんな先輩の活躍もあって、ホールもいい雰囲気になった。




そんな中始まる普通科の最初のクラスの出し物。
順番はクジで決まってたみたい。




「わぁ。あれはタップダンス?」

「凄い!息ぴったりじゃん‼︎」

「靴とかどうしたんだろー。」

「は?バク宙?」

「きゃーっ、かっこいいー‼︎」


いたるところから上がる声。


うん!確かに、凄い‼︎

面白い!

かっこいい‼︎




ーータタタンっ‼︎‼︎ーー



そして、三十数名からつくりだされた足音は1つになり、ホールを駆け抜けた。


…………「「「「「きゃー」」」」」……………………「「「「「うぉー」」」」」…………





その瞬間に上がる歓声。

観客は皆総立ち。

舞台に投げ込まれる花束にお菓子。




この光景を去年初めて見たときは、フィギュアスケートかよっ!

なんて突っ込んだけれど…

…これ、昔から空ヶ丘学園の伝統になっているらしいの。




「十分に沸かせてくれた、2年普通科、Cクラスに盛大な拍手を。」




相園先輩の声に、割れんばかりの歓喜と拍手がまた起こる。




この熱気、次のクラス大丈夫かなぁ。
飲まれたりしないかなぁ。




なんて思ったけど、そんな心配いらなくて、
次のEクラスの出し物も最高だった。

漫才は、面白くって面白くって、涙でちゃったよ。





その後、Dクラス、Bクラスの完成度の高い出し物が終わって、いよいよ私達のクラスも舞台袖に移動する時が来た。




先輩の司会を聞きながら、みんなに声をかけて移動する。




うーん、久々にこんなに緊張してるなー。

舞台に上がるのが少し怖いかも。




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