君色のソナチネ
「みんな緊張してるの?」
いつもは、あまり緊張してなさそうなんだけど、なんだかみんなソワソワしてるから気になって聞いてみると、
「「「あたりめぇだろっ」」」
「「「「あたりまえよ」」」」
同時に帰ってきた答え。
怖い顔で振り向かれた。
みんなを代表して神峰に台詞本の背で頭をコツンと叩かれた。
「…あははははー、だよねー。」
ひょえー‼︎みんな怖いっ‼︎
みんな舞台を何回経験していても緊張するんだな。
そっか。
いつもとは違うもんね。
相棒の楽器もないし。
みんなも私と一緒で緊張してて安心した。
「ここまでやってきたんだから、絶対絶対、いい演技しようね‼︎
それで、ミュージカル部門で1位とろうね‼︎」
緊張で押し潰されそうだけど、笑う。
神峰「あぁ。」
根崎「そのつもりだ。」
宮田「まかせとけ。」
篤実「純怜、失敗しないでよ〜っ。」
雪美「大丈夫、純怜なら。」
樹音「わたし達も頑張るから。」
華菜「みんな、練習どおり、頑張ろう。」
思い思いの言葉。
みんならしくって、安心する。
「音楽科2年、成功させるぞーっ」
「「「「「「「おー‼︎」」」」」」」
手を重ねて、小声で気合いを入れる。
2年普通科の最後のAクラスの出し物が終わった。
凄い歓声に凄い数のプレゼント。
勢いにあっとうされる。
でも大丈夫。
周りにはみんなの笑顔に自信たっぷりの表情。
こういう時は流石だ。
うん、私達ならやれる。
「さぁ、次は2年生のトリ。
ミュージカル部門から、2年音楽科の発表です。」
ーーー今、私達の舞台の幕が切って落とされる。
「ミュージカル、ブロードウェイに想いを馳せて」