君色のソナチネ
ー華菜sideー
…………………「「おぉーーっ!」」……………
いよいよ始まった、私たちのミュージカル。
純怜が舞台に出ていくと、客席から歓声があがる。
流石純怜。
元がいいから、舞台用に濃い化粧をしても、おかしくない。
それに私たちが作った、舞台用の派手な衣装も着こなしてる。
むしろ、その両方が、いつもの純怜の良さを引き立てていて、かなり綺麗。
そりゃあ、みなさん、騒ぎますわ。
ーーーーー
………………「「きゃーーっ‼︎」」………………
場面は次に進んで、今度は神峰君が舞台にあがる。
客席は予想どうりの反応。
私たちがふざけて神峰君用につくった、絵本からでてきたんじゃないかと疑うくらいの衣装。
それをあっさり着こなし、すました顔をする、あのお方。
正直、参りましたっていう、嫌そうな顔が見たかったんだけれど…。
残念なことに全くそんな顔みれなかった。
しかも、かっこよすぎて、昨日初めてその衣装を着た神峰君をみたときは、''きゃーっ‼︎''って叫んじゃってたよね、うん。
まぁ、みんなも叫んでたっけ。
男子は、''その格好良さ分けてくれー!''なんて言って、ちょっと嫉妬してたかな。
純怜は… …赤くなって固まってました。
ーーーーー
そんな純怜は、今は役の世界に入ってるみたいで、演技は完璧。
紗良ちゃんになりきってる。
うん、これは期待できそう!
オチ3の場面では、客席から、笑い声も聞こえてきた。
順調、順調!
さぁ、次は私の番ね!
ーーーーー