君色のソナチネ
はっと我にかえったときは既に遅く、私は立ち上がって、その男を指差しながら叫んでいた。
あちゃー。
と思いつつ、興奮のあまり差したまま硬く固まってしまった肩から先に、脳ミソをフル回転させて必死に''おろせ''と指令を出す。
それでも私の焦る気持ちとは裏腹に、私の腕はギギギギッと音が鳴ってないかと心配になるくらい、壊れたロボットみたいにゆっくりと降りていって、やっと元の位置にもどっt
「神峰 奏[kamine sou]だ。なんか俺の顔についてるのか? 」
彼の言葉にクラスのみんながどっと笑った。
あぁ、本当に今日はついてない。
恥ずかしくて穴があったら今すぐに入りたい。
よし、今日は静かに過ごすぞ!
そう、つい今決心したはずなのに…。