君色のソナチネ
「いいか、これは現実だ。
お前は紗良でなく、''純怜''だ。
もう一度言う、もう言わないからよく聞け。
…お前の事がどうしようもなく好きだ。俺の女になれ。」
…
…
…
…「え''えぇぇe
……………「「き、きぃぃゃぁぁあああ''あ”あ''ーーーー」」……………
私の叫びは、その何百倍もの女子の悲鳴に消される。
ずっと続く悲鳴のなかで、私はパニック状態。
「これって、役だよね?」
「いや」
「冗談だよね?」
「いや」
「嘘だよね?」
「いや」
「からかってるんでしょ?」
「いや」
「もう〜‼︎いいかげんしつこいよ、神峰!」
「しつこいのはお前だろ。
いい加減、頭の中整理しろよ。」
「なn
大きな声で叫ぼうとしたその瞬間。
私の体は瞬く間に神峰にとらえられ、彼の腕の中で向かい合わせにさせられる。
…それに頭の上に顎を乗っけてきたんだ…。
静まり返るホール。
「…、…ほ、…、…ほ、んと…なの?」
「そんなに俺のこと信じられない?」
「…、…う、ん、。」
「ばぁーーか。」
コツンっ。
私の頭から離れた神峰は、優しく笑いながら、軽くわたしの頭をつつく。
「…、…。」
…そして、耳元に口を寄せて…
「…大好きだよ、純怜。」
そう言ったんだ。