君色のソナチネ




ーーーーー



気が付いたら幕が降りていた。



鳴り止まない拍手に、歓声。



紐で吊ってある幕の上から投げ込まれるプレゼントの数々。



「ヒューヒュー」

「お幸せにー」

「お似合いカップル」

「最高のミュージカルだったぜー」



いくつもの声が飛んでくる。




あぁ、終わったんだ。




夢じゃないよね?




もう記憶が薄っすらとしかないよ。




最後なんか全くといっていいほどないよ。




私、ちゃんと演じれていた?



「ちょっとちょっとー、お二人さんー、よくも荒らしてくれたねー?‼︎」



クラスのみんなから取り囲まれる。

あははははー、。

私のせいじゃないよ、急に告白してきたのは神峰のほうだし!

ん?告白…っ‼︎



「ーっ‼︎」


「ちょっとー‼︎純怜、なに照れてるのよ〜‼︎」

樹音がそう言ってくる。





「まぁまぁ、結果的に大成功ってことでいいんじゃないかしら?
ほらっ‼︎」

華菜が幕を見やる。





その幕の向こうからは、まだプレゼントが投げ込まれている。
歓声が上がり、拍手が鳴り止んでいない。




「感動したよー‼︎」


「ありがとうー‼︎」



そんな言葉が投げられる。









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