君色のソナチネ





「みんな、せっかくのミュージカル、壊しちゃってごめんね。」


なんだか申し訳なくて謝る。


「うん、別れたら許さないよ。」


「別れるわけねぇだろ。」


根崎の言葉に答える神峰。


うぅ、嬉しい。かっこいい。




「「「「純怜、よかったじゃん‼︎」」」」


なんて優しいんだ、このやろー‼︎


「みんなーーっ‼︎ありがとうっ‼︎」


女子の皆に言われたら泣けてくる。


「ほらほら純怜、泣かないの‼︎」


無理だよ華菜。みんなが優しすぎるのがいけないの。

そういいながらも、華菜だって、みんなだって泣いてるじゃん。




「2年音楽科のみなさん、拍手が鳴りやまないので、もう一度幕を開けます。」




そう言われ、慌てて一列に並ぶ。



「「「「「「「「ありがとうございました‼︎」」」」」」」」



って、もう一度大きな声で叫ぶ。



本当によかった。



いろいろありながらも、成功したよね?



「2年音楽科のミュージカル、ーブロードウェイに想いを馳せてーでした。」

柏木先輩の声がマイクを通して響く。




うん、成功したんだ。




鳴りやまない拍手と、歓声が、それを実感させてくれた。




本当に、本当にありがとうございました。




そんな気持ちを込めて、みんなで手を繋いで、もう一度がばっとお辞儀をする。




顔を上げた時に舞台からみた景色は、今までで1番キラキラと輝いていたーーーーー




< 155 / 278 >

この作品をシェア

pagetop