君色のソナチネ
「みんな、せっかくのミュージカル、壊しちゃってごめんね。」
なんだか申し訳なくて謝る。
「うん、別れたら許さないよ。」
「別れるわけねぇだろ。」
根崎の言葉に答える神峰。
うぅ、嬉しい。かっこいい。
「「「「純怜、よかったじゃん‼︎」」」」
なんて優しいんだ、このやろー‼︎
「みんなーーっ‼︎ありがとうっ‼︎」
女子の皆に言われたら泣けてくる。
「ほらほら純怜、泣かないの‼︎」
無理だよ華菜。みんなが優しすぎるのがいけないの。
そういいながらも、華菜だって、みんなだって泣いてるじゃん。
「2年音楽科のみなさん、拍手が鳴りやまないので、もう一度幕を開けます。」
そう言われ、慌てて一列に並ぶ。
「「「「「「「「ありがとうございました‼︎」」」」」」」」
って、もう一度大きな声で叫ぶ。
本当によかった。
いろいろありながらも、成功したよね?
「2年音楽科のミュージカル、ーブロードウェイに想いを馳せてーでした。」
柏木先輩の声がマイクを通して響く。
うん、成功したんだ。
鳴りやまない拍手と、歓声が、それを実感させてくれた。
本当に、本当にありがとうございました。
そんな気持ちを込めて、みんなで手を繋いで、もう一度がばっとお辞儀をする。
顔を上げた時に舞台からみた景色は、今までで1番キラキラと輝いていたーーーーー