君色のソナチネ
「きゃーーーっ‼︎」
どうしよう、まだ信じられないよ〜。
本当に現実だったのかな…。
夢じゃなかったの…?
だって、だってっ‼︎
「きゃーーーっ‼︎」
ミュージカルも、無事に?終わり、学校から帰ってきた。
結局、3年生がミュージカル部門で1位とったんだけど、もうそんなこと考えてられない!
帰ってきてからと言うもの、ずっとベットの上で、枕に顔を埋めて、足バタバタしちゃってます。
さっきから自分で勝手に思い出しては、勝手に恥ずかしがってます。
まさかのまさかだったよ〜‼︎
神様、いたんだぁ〜!
私の願い、叶えてくれたんだあ〜‼︎
あの神峰が私の事、好きでいてくれてたなんて!
あの神峰があんな大勢の前で告白してくれるなんて!
あの神峰の口から役以外であんなにキザなセリフがでてくるなんて!
それに、キ、キ、キ
「きゃーーーっ‼︎」
あぁ、私どうしよう。
幸せすぎてダメになっちゃうかもしれない。
ってか、よく考えてみると、あの時マイクついてたよね…。
あぁー‼︎
神峰が私に言ってくれた言葉筒抜じゃんっ‼︎
それって、私達が付き合うことになったの、バレてるよね?
私、神峰のファンの子達に囲まれたりしないよね?…明日からが怖いよ。
今日、帰りは神峰が家まで送ってくれたからよかったものの…。
なんていうか、告白の仕方も俺様だよねっ、あいつ‼︎
私のこれからの学校生活がかかってるんだから、大勢の前でしないで欲しかった…、
というか、告白って、陰でこっそりとするものじゃなかったの?
びっくりしたし、恥ずかしかった。
けれど、やっぱりとっても嬉しくて、幸せで、胸がキュンと高鳴って、涙はでてくるし、息はし忘れるしで、彼の告白に夢中になってたんだ。
俺様自己中男の神峰からの告白は、大胆で、俺様で、自己中で、自信たっぷりで、恥をしらなくて、まさに彼を象徴していたけれど、その中にみせる、甘くて、キザで、カッコいい言葉と声と顔に、私は完全にハートをわしづかみにされちゃったよ、もう。
神峰の告白。
みんなには見られたくなかったなぁ。
ひとりじめしたかったなぁなんてふと考えてしまう。
よし、もう考えない!
付き合えるだけで奇跡なんだから!
明日は、2日目‼︎
実行委員の仕事ばっかり入ってたなぁ〜。
クラスのカフェのシフトもなかなかいけないだろうな。みんなには申し訳ない。
1日、楽しむ暇なんてないと思うけど、がんばろっと!