君色のソナチネ


ーーー次の日の朝。



「ばあちゃん、行ってきまーすっ‼︎」

じいちゃんはこの時間、まだ寝てるんだよ。

呑気でいいなぁ。




私はというと、昨日一睡も出来なかった。

目を閉じると脳裏に神峰が浮かんできちゃって、眠れなかったんだもん。

これ、今日一日しんどいぞ。

今は徹夜の勢いで頭冴えちゃってるけど、いつか究極の眠気が襲ってくるだろうなぁ。





あっ、ほら、もう来たよ。

「ふあぁ〜〜。」

やっと門まで来たなぁ、ってところで出た大きな欠伸。




いつもの徹夜したときよりも、今日は眠気来るの早くない?

本当に1日持たないかもしれない。

どこかでコッソリ抜け出して昼寝しなきゃ。




そう思って、学校の方へ歩き出そうとしたとき。




「お前、欠伸でかすぎるんだよ。
手で隠すかなんかしろよ。」

そう言われたと思ったら、でこピンされました。

ちょっとだけ目覚めた〜‼︎





いやいや、そうじゃなくて、なんで門扉に神峰が寄り掛かかってんの?

朝から爽やかオーラ全開ですな、神峰君。

口からでる言葉は爽やかなんて似つかわしくないのに、オーラは爽やかなんて、この男、欲張りだっ!

でもカッコいいから許すっ‼︎




「分かったから、学校いくぞ!」

分かったってなにが?

「お前口からダダ漏れなんだよ。」

まっ、まじですか‼︎?

やっちゃったぁ。

恥ずかしい。

「お前って、ほんっと…、」

えっなになに!

「いや、なんでもねぇ。
ほらいくぞ。」

そういって、スタスタ歩いていく神峰。

言いかけた事って、何だったんだろ。

気になるじゃんか。

まぁ、いいっか。





えぇーと、神峰は、私を迎えに来てくれたんじゃなかったのかなぁ?

「純怜、おそいっ‼︎
はやくこいっ‼︎」

あっ、やっぱりそうなんだ!

嬉しい。






文化祭の係りの関係で、華菜とはなかなか道の途中で会わないから、最近はほぼ1人だったんだよね〜。

朝は実行委員の打ち合わせなんかが入ってたりするから、ピアノやヴァイオリンの朝練も、文化祭終わってからねーって事になって。

でも、やっぱり練習しないと不安になる。

だからピアノの朝練は一人でもずっと続けるつもりでいたから、今も続けてるんだ。

…流石にこんなに朝早くからは誘いずらいしね。

というか、いくら仲のいい友達でも、ぜったい迷惑だって、うん。

常識を疑われるよ。

だって、今、朝の5時。

でも、これから学校いって弾いてたらすぐに実行委員の打ち合わせが始まる7時になっちゃうから、しょうがない。




おかげで今私は毎日4時起き。

ーー睡眠時間4時間。

もう自分でも信じらんない。

まぁ、今日は寝なかったけど。












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