君色のソナチネ
ー奏sideー
昨日のミュージカルで純怜に気持ちを伝えた。
キスするつもりはなかったのだが思わずしてしまった。
まぁ、客席側からは見えない角度だったからいいか。
昨日、学校では怒らなかったが、頭が少し整理できたであろう、今日。
絶対、純怜、怒るだろうな。
それも当然と言えば当然か。
自分の容姿が綺麗なことを、自覚していませんとは流石に言えない。
あいつに妬みや嫉妬が向いて、女子達から酷い目に合わされるかもしれない。
それも考えた。
が、あいつは可愛いも美しいも綺麗も兼ね備えた学園一、いや日本一、いや世界一の女。
そんな女を前にしたら、妬む感情なんて失せるんじゃないか?
そう思ったんだよな。
女子ってそんな闘争心ってねぇのかなぁ。
そんなもんじゃねぇの?
昨日、根崎のやつに、
「お前、水姫のことも考えてやれよ。
女子にいじめられたらどうすんだ。」
そう言われて、急に心配になった。
ちゃんと考えてたつもりだったが、甘かったか?
俺もまだまだだな。
だが、こそこそ付き合っていて、ばれた時のほうが怖いんじゃねぇか?
それなら、大勢が見ている前で付き合う宣言した方が、俺の女だと示せるし、ちゃんと守れる。
ちゃんとお前の事を守るから、ずっと隣で笑っていてほしいんだ。