君色のソナチネ
だから、今日から朝も一緒に登校しようと思ったわけで、今水姫の家の門のところに寄りかかっている。
毎日学校でピアノの朝練してたみてぇだから、このくらいの時間かと思ったんだが。
ちょっと早かったか?
まぁ、待てばいい。
あいつ、どんな顔して出てくるんだろ。
「ふあぁーーーっ。」
そう思っていると、聞こえてくる間抜けな声に、見える大きな口。
おいおい、お前女だろ。
だが、そんな所も可愛いと思ってしまう。
声をかけると、なんで?って顔をした純怜。
''お前の顔がみたかったんだよ。''
そんなこと、朝から言えるか。
「ほら、学校いくぞ。」
そう言って、歩き出す。
こいつ、怒ってないのか?
それとも、そんなことすら、頭にない?
まぁいいや、俺がしっかりしていれば。
それより、こいついつにも増して眠そうだな。
目の下にクマできてるし。
大丈夫か?
今はこっちのほうが心配だ。
大丈夫ならいいんだが、今日は忙しい。
無理するなよ。
そう思いながら、純怜の頭を撫でる。
今日もサラサラの純黒の髪。
俺、この髪も好きなんだよな〜…。
2人で並んで登校することがこんなにも幸せなんだと、また実感した。