君色のソナチネ
ま、ま、まじ?
相園先輩と、神峰はおいといて、根崎も選ばれたの?それに、宮田も?
あいつら、そんなにカッコよかったっけ?
そういえば、カッコいいのかも。
っていうか、仕事どうすんのー‼︎
2人も抜けるなんて聞いてないよ〜‼︎
男子だぞ?大事な戦力‼︎
もう投げ出しちゃうぞっ!
あーあ、神峰も選ばれたんだよね。
なんか嬉しいけど嬉しくない‼︎
私だって見に行きたいよ、好きな人の勇姿。
なんで彼女の私が見れないのさ…。
「すまんが、ちょっといってくるな。
おい、ここ、誰か変わってくれ。
ピーク時の半分くらいの忙しさだから、頑張れるよな?
頼んだぞ。」
「申し訳ありません、ちょっと行ってきます。」
いや、確かに、忙しさの峠は越したと思いますよ?
こうして本部に実行委員のみんなが集まれてるんだから。まぁ、みんなそれぞれ手と口は忙しく動かしてるけど。
でもさ、これ2人が抜けたら、またピーク時の忙しさに舞い戻るんですけど。
「まぁ、しょうがないわね、いってらっしゃい。
その代わりグランプリ取ってきてよ、星。
神峰君も、健闘を祈るわ。」
柏木先輩、なんて心の広い方。
なかなか言えないよー、そんなの。
うん、でも、グランプリは神峰が取ります。
「神峰、相園先輩に負けないでよ‼︎
遠慮なく格好良さをふりまいてきてね‼︎」
そう言うと、入り口のところまでいっていた神峰は、驚いて私のほうを見ると、
''ばぁーか。''
口をパクパクさせていってしまった。
「もー、純怜ちゃん、私に喧嘩売ってる?」
へ?柏木先輩?
「とんでもない、そんな事。
ただ、私は神峰が王冠かぶったところを見てみたくって。
ぷっ。あいつ、絶対似合わないですよね。」
「もー、だからそれが喧嘩売ってる?って言ってるの。
こうなったら、正々堂々と、勝負よっ‼︎」
「はい?
あの、柏木先輩?」
「もう決まりだから。
逃げた方が負けー‼︎」
わけがわからなーい‼︎
急にどうされたんだろうか、柏木先輩。
私がおかしいの?
そうなの?
取り敢えず、ここは受け入れるべき?
「はい?分かりました?」
「うん、よろしい。」
あっ、やっぱりこれで良かったみたい。