君色のソナチネ






…ん?

ちょっとまってよ?

次、ミス空丘なんだよね…?

去年、柏木先輩は二年生にして、グランプリ取ってたよね?

じゃあ、今年も選ばれないわけない…よね…?




…ということは、先輩も仕事抜けちゃうってことで。

指示とか他の3年生がやってくれるのかなぁ?


「先輩、実行委員に最後までいてくれますよね?まさか、ミス空丘に選ばれちゃったりなんか…。」


「あはははー…。」


苦笑いの先輩。

やっぱり?

どうすんのーー‼︎


「大丈夫よ、去年もこのイベントのときは、なにかと暇だったらしいから。

みんな特設ステージを観に行くみたいだから、問題なんかも起きにくいみたいなんだよね〜‼︎」


えーー、本当かなぁ!?


「それに、多分、純怜ちゃんは…」


「え?私に柏木先輩の変わりに電話担当してとかないですよねっ‼︎?」


それだけは、ぜったいに無理ですから。

私、もともとこういう仕事、向いてないですもん。


「あぁ、いや、そういう事じゃなくて…」


?なんだろ。




『それでは、ミスター空丘の審査の前に、ミス空丘に参りたいと思います。

ミスター空丘同様、投票によって選ばれた方々です。読み上げます‼︎


普通科3年、柏木 知香さん。

音楽科2年、白井 篤実さん。

音楽科2年、富谷 雪美さん。

音楽科2年、夏川 樹音さん。

音楽科2年、春咲 華菜さん。

音楽科2年、水姫 純怜さん。


以上、6名です。
呼ばれた方は、速やかにこちらに移動をお願いします。』




…、



…、え?

もしかして、私呼ばれた?

呼ばれたよね?

私、水姫 純怜って名前だったよね?




「ね?呼ばれたでしょ、純怜ちゃんも‼︎」

隣でそう言って笑ってる柏木先輩。




…なんでーーーーーっ‼︎

ありえない。

柏木先輩は選ばれて当然だし、

華菜と樹音だって、モデルみたいだし、

あっちゃんとゆきちゃんだって、可愛くて、オーラがあって、

だから、選ばれるのはわかるよ?





…そこに何で私?

音楽科の2年生が、私以外選ばれちゃって、私だけ選ばれ無かったら、かわいそうだからとか?

いや、そんなの、全然気にしてもらわなくていいですよ?

むしろ、私がいたら、絶対浮きますよね?

場違いな気がしてたまらないんだけど!




いやー、そりゃあ、みんなと一緒に選ばれたっていうのは凄く嬉しいんだけど…。

流石、音楽科の二年生だなぁって思ったよ?

だから、その、出てみたいって気持ち、なくはないけどさ…。




「もう!つべこべいわないっ‼︎
いくよっ!」


そう言ってグイグイ私の腕を引っ張っていく先輩。


また私声にだしてたの?


そしてあっというまに特設ステージに着いたんだ。










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