君色のソナチネ
ー純怜sideー
起きたら、悲しそうな顔をして隣で頭を抱えている神峰がいた。
私の為に、考えてくれていた彼。
謝ってきたんだ。
でも、それを必死で否定した。
だって、神峰が隣にいてくれるだけで、元気になれるのに、おかしいよ。
そう思って笑顔を見せると、いつもは照れる様子なんてこれっぽっちも見せない神峰の顔がほんのり赤くなった。
そんな神峰の顔、すごく新鮮で、また私の胸をきゅんきゅんさせたんだ。
そんなとき、私にくれたたくさんの言葉。
私の宝物。
神峰が隣にいてくれる、そう思っただけで、今まで抱えてきた自分の問題に正面から向き合える気がした。
必ず話します。
頑張るから、ずっと、ずっと、隣にいてね。
私に、勇気をくれてありがとう。
そんな気持ちを込めて、''ありがとう''の言葉を伝えた。
''そう''って、初めて名前で呼んで、ね。
恥ずかしくって、俯くと、上を向かされ、降ってきたキス。
二回目だ。
でも、すぐに離される唇。
神峰、我慢してくれてるんじゃないかな?
恋愛経験ないからよくわからないけれど、キスってこんなものじゃないんでしょ?
そう思って、大丈夫だよって言ったの。
本当は怖かったけど。
私のそんな気持ちがわかったのか、''焦んなくていいの''。
そう言ってくれた。
''ばぁーか''っていう言葉の後に。
神峰の言ってくれるその''ばぁーか''が好き。
別に、Mなんかじゃないからね?
それを言う時の表情が好きなんだ。
目を細めながら、優しい顔で頭をコツンってしてくれるとこが好き。
やっぱり、私、神峰のこと大好きだ。
いちいちキュンキュンするんだもん。
「時期が来たらいっぱいいろんなことしてやるから。」
そんなことを思ってたときに、耳元で囁かれる。
低くて甘い声。
背筋がゾクゾクってして、胸がきゅうーってなった。
私、大丈夫、かなぁ?
そんなことを思ってると、また抱きしめられた。
でも、苦しくなんてなくて、優しく、優しく包んでくれる。
あぁ、大丈夫だね。
だって、こんなにも私の事を考えてくれる人がいるんだもん。
私、ずっとこの人についていこう。