君色のソナチネ
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「ミスター空丘、グランプリを発表します‼︎
今年のグランプリは、客席から選ばれた100人の方に投票をしていただきました!
すると、なんとなんと、32票を獲得したかたが2人います!
と言うことで、今年のグランプリ、2名を発表します!
今年のミスター空丘、グランプリは!!」
聞こえてくるスネアドラムの音。
神峰、神峰、神峰、神峰、神峰。
胸の前で手を合わせて祈る。
ータカタンッ!
「相園 星君、神峰 奏君です!」
わぁ、やったぁーー‼︎‼︎‼︎
どうしよっ、神峰がグランプリだよー‼︎‼︎‼︎
大きな歓声が上がる。
今すぐにでも神峰のところにとんでいきたい。
でもいけないのがもどかしい。
王冠を被って、いまの心境を語っているステージの上の神峰。
王冠を頭に乗せててもかっこいいってどういうこと!
絶対似合わないと思ったのに!
感想を言い終えたミスター空丘に出ていたひとたちが、ステージ裏におりていくのが見えた。
私は急いでそこへ行く。
神峰に1番におめでとうって言いたくて。
でも、もうそこは人の海で。
サインを求める人たちがたくさんいた。
いやだ、私が1番にいいたいの!
そう思いながら必死に人混みを掻き分ける。
その時、
腕を引っ張られたと思ったら、もう抱き寄せられていて。
私達に気付いた人達がきゃーっといいながら、避けていく。
円になって囲んでこっちをみてる。
「客席まで迎えに行くから座ってろっていったよな、俺?」
上から聞こえてくる低い声。
ゔぅ、怒ってるの?
「だって、1番におめでとうっていいたかったんだもん。」
「はぁーーー…。
心配かけんな。」
「…ごめんなさ「でも、ありがとな、純怜。」
「うん、、、神峰、怒ってない?」
「あ?お前に本気で怒ることなんてねぇよ。
でも、心配かけんなよ。
おれ、まじでお前が倒れたりすると心臓とまりそうなんだからな。」
「…ごめんなさい。」
「いいよ、こうしてお前の元気そうな姿見れただけで心配吹き飛んだ。」
そう言って、人混みを掻き分けながら客席の方に向かって私を引っ張っていく神峰。
「次、ミス空丘の発表だぞ。
お前、応援しなきゃいけねぇんだろ?
一緒にみるよな?」
「…うん‼︎‼︎」