君色のソナチネ
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ータカタンッ‼︎
「ミス空丘グランプリ、柏木 知香さんです‼︎」
私にとって、誰が選ばれても嬉しかったんだけど、わぁ、やっぱり柏木先輩かぁ!
クラスのみんなも大健闘で、すごく接戦だったらしい。
あぁ、なんかみんなのキラキラしてる姿みると、感動して泣けてくる。
そう思ってたら、隣から手が伸びてきて、拭ってくれた。
私、本当に泣いてたらしい。
心配そうに覗いてくる神峰。
きっと、最後まで出たかったんじゃないかなんて思ってるんでしょ?
「神峰、私、大丈夫だよ。
みんなの姿みて、感動してただけだから。
…いちいちド、キ、ドキ、するようなことしないでください。」
「んなら良かった。
でも、お前自分で涙拭ったら、目の下赤くなるだろ?まぁ、それも可愛いけどな。
それに、お前がいちいちドキドキしてるだけだろ?
そんなんじゃこれからもたないよ、すみれちゃん。」
「ーーっ‼︎」
もう、なんでこういちいちドキドキすること言うのかな。
心臓が何個あっても足りないよ。
もしかして、自覚してない?
いや、してるか、神峰だし。
「それに、
お前の涙拭っていいのも、お前の唇奪っていいのも、俺だけ、だろ?」
「っ‼︎」
驚いた私を見ると、ニヤッと笑った神峰。
あ〜、こいつ、恥ずかしがる私見たさにやってるわけ?
俺様、自己中、えっちにドSも加わるのか…。
ふぅ〜、私、死ぬまでずっとドキドキさせられてるんだろうな。