君色のソナチネ




『神峰 奏君、水姫 純怜さん!』



































「ほら、純怜、いくぞ。」


「…う、ん。」

驚いてコトバが出てこない。

何でそんなに神峰は冷静でいられるの?



''うん''そう返事はしたものの

「ご、ごめん、驚きすぎて足が動きません。」

「じゃあ抱えてくぞ!」

「そ、それは勘弁を!」

「じゃあ歩け。」

「…で、できません。」

「はぁーーーー…。」




う''ぅ。

「ご、ごめーーきゃッ!」




本日、二度目。

観衆の前でのお姫様抱っこ。

あぁ、もう私、どうなってもいいや。




ステージにストンと足をおとされ、体を支えてくれる。


『さっそく、ラブラブな登場ですね!』

しるかっ!だいたい企画委員の人達が驚かせるから、腰抜けたんだ!







『それでは、ここからは、各カップルの女子の皆さんに、女子力の高さを競って頂きます!
男子の皆さんは、後ろに座っていてくださいね! 』


げっ!女子力って私が1番もってないもの。


『競って頂くのは、料理です‼︎
題して!彼氏の胃袋つかんじゃおう大作戦!


そのまんまだぁー‼︎


『ここに、4つのキッチンを用意致しました。
調理器具、材料等はできるだけ揃えてあります。
制限時間は120分間です!

それでは、始めッ‼︎』


金かかってるなぁー。

じいちゃん、よくOKだしたよなー…。

あぁ、そう言えばこの前、

''生徒たちが自分たちで考え、企画したものはなるべくやらせてあげたいんじゃよ''

んなこと言ってたなぁ。

と言うか、二時間ってどうよ?

調理終わるの7時?

はぁ。

しょうがない、作るか。

神峰、何食べたいだろ?

フランス料理、好きかなぁ。

ヨーロッパにいた頃、よく食べてたんじゃないかな?

よし、フランス料理に決ーめたっ!

120分あるんだよね?

煮込み料理もできなくは…ない。

圧力鍋もあるみたいだし。












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