君色のソナチネ




ー純怜sideー


うん、良かった。

美味しそうに食べてくれて。

今度は神峰だけに、神峰が好きな料理を作ってあげたいな。






『驚愕の料理の数々。

みなさん、しっかり将来に向けて、料理してるんですね!


さて、次のコーナーに移ります‼︎
次は熱い熱いチュウの瞬間を是非私達に見せていただきたいっ‼︎』



………「はあぁぁ''ーーーーーっ???!」………


叫ぶ私達、候補カップルの女子。


………「きゃーーーーーーーーーー!!」………


叫ぶ観客。



ありえない、ありえない。

公開処刑かっつーの‼︎



ちょっと、神峰もなんか言いなさいよ!

と思って隣をむくと、真顔の神峰。

…あ、のー?

動揺してないんです、か?



でも、それは神峰だけじゃないらしく、

「ちょっと‼︎星!
なんとか言ってよっ‼︎」

「ねぇ、新矢ってば!
私無理だよぉ。」

「ルーイ君、本当に無理。」

そう言ってる私の先輩と友達。

全く動揺してない彼氏たち。





動揺してるのは、私達女子だけっすか…はぁ。





みんなも心が折れたのか何も言わない。




くっそ、覚えてろよ、神峰コノヤロー‼︎

口聞いてやらないんだからっ‼︎




次々に目の前でキスを交わしていく、先輩と友達たち。

まんざらでも無さそうに見えるのは私だけでしょうか…?

それも、付き合った年数が長いからなし得ることなんでしょうか…?

裏切り者ー‼︎




ついにやってきた私たちの番。

あああ''あ''ーーーーー‼︎

やだやだやだぁ、絶対にいやっ‼︎

ほら、足だって震えてるよー‼︎

だいたい、キスって人に見せるものじゃないでしょ?

近づいてくる神峰の顔。

ねぇ、神峰…分かってよ‼︎

私、本当にイヤなんだ。





「すいません、」



…へ?



「こいつ、怖がりなんで、もういいですか?

来年の楽しみに取っておいてください。

熱いヤツ見せれると思うんで。」



かーみーねー!!



「ほら、もう泣くな。」

「…うん、ありがとう。」



うぅ、やっぱりあんた、私のヒーローだよ〜!

最後はかなーり余計だったけど、ね?









< 185 / 278 >

この作品をシェア

pagetop