君色のソナチネ





ーーーーー放課後。

来るなくるなって願っても、来てしまう。

当たり前かぁ。

でも名前で呼ぶなんてむりだよー!

いちいちドキドキしなきゃならないじゃん。

心臓もたないよー!

はぁ。

しかも、こういう時に限って、いつもは眠くて暇で仕方がない古典の授業も終わるのが早く感じる。

それに何故か、今日に限って先生達の会議が入っているらしく、5時間目までしかない授業。

ことごとくついてない。





「罰ゲームってなんなのよ…。」

そう呟いてると、いい考えが頭に浮かんできたぁ‼︎

''逃げる''

なんで今まで思いつかなかったんだろうか、私としたことがっ‼︎

よし、そうと決まればすぐ実行!

それじゃあ、神峰、また明日ぁ〜‼︎







ふぅ、下駄箱まできたからもう安心だよね!






それにしても、神峰が教室にいなかったから、逃げやすくって助かったぁ。

お手洗いにでも行ってたのかなぁ。

「えへへ、神峰も大したことないね〜。」



ん?あれれ?

靴履いたから進もうとしたのに、進めない?




「誰が大したこと無いって?」



「ひ、ひぃ。」

もしかして、その低い声…。

「…で、ですよねぇ。」

逃げれるわけありませんよねぇ。

恐る恐る振り返ると、そこにいた悪魔。

見るのは2度目だぁ〜。

じゃ、じゃなくて。

凄い怖い顔して神峰君が私のバックを掴んでらっしゃいます。






「ほら、いくぞ‼︎」

かと思ったら、何事もなかったように先をいってらっしゃる神峰の悪魔様。

「え?いつの間に靴履いたの?」

「ん?
お前が来るのを靴履いてここで待ってたんだが?」

普通、クラス一緒なんだから教室から一緒にいくよね?

「お前の行動パターン、ばればれだ。」

あー、そういう事ですか。

追いかけてきたのかと思ったんですけど、私がこういう行動に出ること、分かってたんですね〜。

私も逃げるなんてことさっき思いついたのに、神峰は最初から、予想してた、と。

ほぉ〜、そうですか…。





…それって、私より私のこと知ってんじゃん。

なんだよそれ〜‼︎

いたずらできないー!

神峰に嘘なんかつけないじゃーん‼︎



恐るべし、神峰様。





「それで、5時まで時間あるが、純怜どこか行きたいところあるか?」


「え?それって、放課後デートってやつ?」


「は?なんだそれ。」

なんだそれって、私が聞いてるんだけど。

「良く分かんねぇけど、取り敢えずどこ行くか決めろ、どこでもいいから。
歩いて行ける距離な。」

うーん、どこがいいかなぁ。

あっ、

「ゲームセンターってところ行ってみたい!
行ったことなかったの‼︎」

「ふぅーん、じゃあ行くか。確かお前んちらへんにあったよな、そこいこう。」


やったぁー!

ゲームセンターデビューだ‼︎











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