君色のソナチネ




ー奏sideー


ーー-ー〜♪~♫〜


ピアノに座って、伴奏を始める純怜。

そして、指揮をする。

そんな彼女の伴奏と指揮を真剣に見ている子供達から紡ぎ出される声は、さっきまでと違って、格段に良くなっていた。

「ふぅ、やっとひと皮剥けたな。」

なかなかこいつ等が越えられなかった壁。

純怜に来てもらってよかった。

人見知りの子達も多いんだが、あっという間に打ち解け、小さい子には難しい言葉を使わずに、それでいて理に適った事を言ってくれた。

今回の壁は俺だけの視点じゃ、どうしても越えられないということに気付いていたからほんと純怜の存在がありがたかった。

ひとまず、これだけ歌えりゃ予選、いや、県大会は通るだろう。





さて、純怜へのお礼の気持ちも込めて、明後日
のデートは純怜好みにしねぇとな。





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