君色のソナチネ




ーーーーー



「もう、強引すぎるよ…。」


私今、絶賛スネ中。



「俺のおかげで、消毒するときの痛みも感じなかっただろ?」

「そんなわけあるかーーーー‼︎」

「そうか?それは残念。」

「ってか、それが強引だっていったの!
ばかっ‼︎」

「はいはい、可愛いよ、純怜ちゃん。」



くっそ、そうやって頭ポンポンされても機嫌なおさないんだから‼︎




あの後、傷に絆創膏を貼ってくれた奏。

コンビニに行ったのは、靴擦れした私のために、消毒液と絆創膏を買うためだったみたい。

その治療のおかげで痛みも和らいで、こうして奏の隣を歩けてる。

私の為にここまでしてくれて、感謝してるよ。




でもあいつ、うちの敷地内で強引にキスなんてしてくるんだもん。

じいちゃんとばあちゃんに見られてたらどうすんのよ!

そこは許さないもんっ!



で、でも、感謝はしないとね…



「奏、…あり、がと。」

「おう。」



「でも、強引にキスしたのは許さないからねっ!」

「おう。」



もう、なんなのよ、その適当な返事。



「なぁ、純怜。

別に俺お前にどんだけまたせられても怒らねぇよ。
だから、そんな傷つくるな。
いいな?」


「…うん。」


「おし、昼飯でもいくか。
予約してある。
駅まで歩けるか?」


「うんっ‼︎」


「…やっぱりタクシー使うぞ。」


「え、大丈夫だよ!」


「それ以上足が酷くならないように念のためだ。」


「高いのに…。」


「気にするな。」


そう言って通りすがりのタクシーを止める奏。


なんてVIPな高校生…。


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