君色のソナチネ
ん?
そういえば、この車はどこに向かっているんだろう。
楽しい話もだいぶ落ち着いた頃、ふとそう思う。
「はい、ついたでー。」
なんていいタイミングだぁ!
思わずちょっと感動してしまった。
…じゃなくて、どこだここは!
「奏、ここは…?」
うーん、さっきの駅と対して変わんない風景。
右側海だし。
左側にはポツポツと建物がある。
「まぁいいから、降りろ。」
奏の言葉に従って、車を降りる。
「そうすけ、俺戻るからな。
時間になったら来いよ。」
「あぁ。
多忙なのにムリなお願い聞いてもらってサンキュな、げんさん。」
「いいさ、お前の為なら。
謙二にも頼まれたしな。
じゃあな。
純怜ちゃんも後で。」
「っはい!」
…?
若干、いやかなり状況が分かんないけど、また後から会うのかな?
とりあえず返事をして、げんさんを見送った。
「それで、なんだったの?
というか、お昼どうなってるの…?」
なんだか催促してるみたいで、かなり聞きづらかったんだけど、心配になっちゃった。
「予約は13時にしてあるから。
イタリアン。」
「ほえっ??!
イタリアン??
やったぁーーーーー‼︎」
「ふっ。
お前、ゲンキンな奴。
腹減ったんなら、その辺のコンビニで昼飯済ませてもいいんだぞ?」
くぅ〜、意地悪‼︎
悪魔‼︎
「だ、大丈夫です。
大いに遠慮します。」
「日本語、変だぞ。
まぁ、いいが。
待ち時間、海でもいくか?」
「いきます、いきます!
海、うみ〜‼︎」