君色のソナチネ






なに、こ、れ?







…だ、れ、?


この声は、誰?


…女の人?


頭の奥深くから響いた声。


なんで、私の中からこんな声が聞こえるの?







どういう意味?


これは何?







訳がわからない。






ただ分かることは、ズキズキと今までにないくらい頭が痛むのと、なんだかすごく嫌だということ。



訳がわからないけど、心の底から嫌で、気持ち悪くて、




「いやだ、いやだ…いやだ、」





身体と心が芯から冷え固まるような、怖くて寂しい感覚。


意識が遠のいていく。


私が私じゃくなっていく。


私の中から出ていって、お願い。




「お、…あ……さ、…」


う''ぅ。


苦しい。


息が、…いきが出来な、い…。



も…う、む…り…。




(お…ぃ、す…れっ…!)



…あれ、今、奏の声が聞こえた気がした。



「…よかった。」



そこで、私の意識は完全に途切れたんだ。



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