君色のソナチネ




ーーー次の日。



「純怜、その格好でいくのか?
じいちゃん寂しいぞ〜。
ついに奏くんに取られる時がきたんだなぁ。」


オイオイオイと鳴き真似をしながらおかしな事を言ってくるじいちゃん。


全く意味が分からない。


「まぁまぁ、おじいさん、良いじゃないですか。
こんなに可愛い純怜ちゃんを見れるんですもの。
奏くんに感謝ですね。」


さらに意味が分からない。


でもそんなばあちゃんのお陰で、奏が迎えに来るまで30分くらい余裕がある。


着付けからヘアアレンジまでやってくれたばあちゃんに感謝だなぁ。


あとは少しだけメイクしよっかな。




楽しみだなぁ。

奏はどんな反応してくれるかな。

少しは可愛くなれたつもりなんだよ、これでも。




そんな事を思いながらメイクをしてると、時間が立つのはあっという間で、



「ピンポーン。」



あ、もうそんな時間だったの?



慌てて片付けて、巾着に入れる。

浴衣のせいでつまづかないように気を付けながら、心は飛び出していた。





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