君色のソナチネ




それから皆んなとの待ち合わせ場所に着いたのはいいけれど、まだ1人も来てないみたい。


浴衣を着た子供達がはしゃぎながら私たちの横を通り過ぎていく。


「みんなまだみたいだね。」


「あぁ、まだ10分前だからな。」


あ、そうだったんだ。


「お前、時計持ってきてないのか?」


「うん、ケータイで十分だもん。」


「ケータイ落としてもしらねぇからな。」


「落とさないもん。」


「どうだか。」


そんなにおっちょこちょいじゃ無いんですけど。


とか思ってたら、


「あ、いたいた、純怜〜!」


誰か来たみたい。


「わぁー!華菜、綺麗〜!」


白色の浴衣が華菜にぴったり。


「天使みたい。」


「純怜に言われたくないわ。」


なんて言ってくる彼女。
その隣には、浴衣を着た根崎が手を繋いで立っていて、


「お前が1番綺麗だよ、華菜。」


華菜に向かってそんな事を言うんだ。


わわわわわっ、華菜、顔が真っ赤っか。
見てるこっちまで照れるよ。


そう思ってると、私の隣にいた奏が、


「純怜、1番可愛いのはお前だ。」


何を言うかと思えば、根崎を挑発するかのように笑いながらそんなこと言ってくるんだもん。


もう4人で笑っちゃったよね。


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