君色のソナチネ
「純怜、すみれ!しっかりして!」
純怜のおばあさんの慌てた声に俺は走り出した。
「どうしたんですか?
す、純怜!
おい!」
「奏くん!どうしよう、わ、私が悪いのよ。
どうしよう。」
混乱しているおばあさんが必死に俺の両腕を掴んでくる。
「落ち着いてください。
純怜のおじいさんは今どこに?」
「し、姉妹校よ、パリにある空ヶ丘の。」
「分かりました。
とりあえず、純怜の付き添いで乗って行きましょう。俺もついています。
ゆっくりでいいですから、何があったのか教えていただきたいです。」
何度も頷く純怜のおばあさんに先に乗ってもらい、俺も乗り込む。