君色のソナチネ
ー純怜sideー
あ、あれ?
寝てた?
というかここはどこ?
「純怜、気が付いたか?
気分はどうだ?」
「え、あ、奏!
気分って?」
「お前、ピアノの上で気失って病院に運ばれたんだよ。
脱水に栄養失調、それに疲労だとさ。
40度の高熱が出てた。
それと…。」
「え、なに?」
「いや、何も。
大丈夫か?今ナースコール押したから。」
「うん、まぁ体は楽みたい。」
「それはよかった。お前頑張りすぎだよ。」
そうやってコツンとおでこを突く奏。
なんだか悲しそうな顔をしているのは気のせいかな。
どうしたんだろう。
聞いてみようと思った時、病室にお医者さんと看護士さんが入ってきたから、聞けなかった。
今日1日、様子を見るために入院して、よければ明日退院できることを聞いてホッとした。
「純怜、学校いくだろ?
先生もみんなも心配していたよ。」
診察も終わり、落ち着いた時、奏が心配そうにそう言った。
「あ、忘れてた。」
「忘れてたってお前なぁ。」
そう言いながら苦笑いする奏。
「あ、笑った。」
「は?何言ってんだお前。」
「だって奏、さっき悲しい顔してたから。」
「あ?してたか?」
「うん、してたよ。
奏は笑ってる方がいい。」
「はいはい、すまんすまん。」
そうやって苦笑いする奏に、つられて笑う。
「ゆっくり休めよ、もう少しいてやれるから。
明日、学校だから迎えこれないが、大丈夫か?
心配なら学校休んで迎えくるぞ?」
「うん、大丈夫!
心配しないで、もう元気だから!」
「お前の心配しないでは当てにならない。」
「もう、本当に大丈夫だって!」
「わかった。月曜日、また朝家に迎え行くから、学校いくよな?」
「うん、ありがとう!」
手を握って、少し寝れば?と言ってくれる彼に甘えて、寝させてもらった。