君色のソナチネ
そんなことを考えてたら、担任がやってきて朝のHRを始めた。
「今日は、みんなに紹介したいやつがいる。入ってこい。」
そう言って招き入れる担任。
…へぇ、ガセじゃなかったんだ。
それを嬉しく思う自分がいる。
彼が入ってきたとき、私は思わず歓声をあげていた。
私以外の女子もみんなキャーキャー言ってる。
…ただ一人を除いて。
そのただ一人の純怜さん。
うん。
なんというか、期待はしたくなかったけど、予想どおり。
キョトンとしているくせに眉間に皺をよせてる。
驚きと嫌悪が、同時に彼女を襲撃したようだ。
神様、せめてどっちかにしてあげて下さい。整った顔が台無しだ。
耐えきれなかったのか、その男へ指を差して叫んでいる。
少しの間があったあと、意識を取り戻し現状を把握して、顔を真っ赤にそめて、必死に取り繕おうと試みる彼女。
私は奥歯を噛み締めて笑いを押し留める。
面白すぎだよ。
なのに、その男がからかうように、
「神峰 奏だ。なんか俺の顔についてるのか? 」
なんて言うもんだから、もう笑いを留めることができなくなっちゃって、爆笑してしまった。
みんなもお腹を押さえながら笑っていた。
純怜ごめん、、、流石に、爆笑したことは謝るよ。