君色のソナチネ
不幸が重なって起きた悲劇。
今でも純怜のお母さんが生きていたら、彼女が勘違いをおこすことが無かったかもしれない。
彼女は覚えていないが、そこには''愛''があったはずだ。
俺は、お前のお母さんが、ただの厳しい人間ではなかったように思う。
そう信じたい。
純怜はきっとあの教会にいる。
たとえ怜子さんの愛を知らなくても、思い出の詰まったあの教会にいる。
そんな気がした。
お前のお母さんの愛を、俺が思い出させてやる。
こんなにもおおきな愛があったんだと。