君色のソナチネ
そうそう、
この学園に入学してから、驚かされたことが沢山あるんだけど、その中でも驚いたことは、校舎の綺麗さと設備が充実していることかな。
なんでも、有名建築家に設計を依頼したんだとか。
学園の名前の由来にもなっている通り、一つの大きな''丘''を囲む全てが学園の敷地で、その丘の上に、音楽棟、中央棟、進学棟の3つの棟がそれぞれ距離を置いて配置されている。
音楽棟には、東校舎、南校舎があって、
東校舎には、3階にHRだったり、国数社理英の普通授業をうけたりする自分達の教室、1階2階には練習室が20部屋あって、各部屋にはグランドピアノが置かれているんだ。
南校舎にはレッスン室があって、個人レッスンはもちろん、音楽理論や和声学、ソルフェージュなどといった、主に音楽専門の授業で使う校舎になってる。
そして、東校舎と南校舎をつなぐ円形の建物が、通称『ホール空丘』。
1階2階部分には、ホールがあって、1017席の座席が設けてある。
常備されてるピアノは、フルコンサートピアノで、しかも2台あるから、''2台ピアノのため''の楽曲にも対応できて、演奏会とかでもよく使われるんだ。
それに舞台を組み替えられるから、オーケストラにも対応してる。
音響設備がしっかりしてるからか、土日には、よくコンクールや、リサイタルなども開かれてて…私も中学の頃から何回かここで弾いたことがあった。
3階4階には小説や洋書、漫画はもちろんのこと、音楽専門の書物や楽譜、CDが揃えられている図書館がある。
図書館の中には、カフェもあり、本を読んだり、音楽を聴きながら休憩できるスペースがあるんだよ。
それに、このカフェにもピアノが置いてあるから、プチサロンコンサートなんかも開いちゃったりできるんだよね〜‼︎
すごいでしょ?
この、ホール空丘は、一般の人達も利用できるから、平日も人で賑わっているんだ。