君色のソナチネ
ー奏sideー
「ちょっと、神峰君、耳を貸して。」
朝、俺が練習室で練習していると、ノックをして入ってきた春咲。
ん?少し怒っているのか?
昨日の放課後の事もあり、少し伺っていたが、次に言われたことは、呆れることだった。
「純怜、昨日のHR、寝てたんですって。」
は?
「目を開けたまま寝れる奴がどこにいる。」
こいつ俺のことからかってるのか?
「からかってなんかないわよ。
真剣よ。
本当にあの子、信じられないんだから。」
「はあぁ〜〜。
…すまない、朝から盛大なため息を聞かせてしまった。」
「いいわ。私もさっき、純怜の前で盛大にしたから。
で、どうするの?」
「今あいつ、どこにいる?」
「私がいた練習室の隣の練習室にいるわ。」
「ちょっといってくる。」
といって、ドアノブに手をかけたが、思いとどまった。
「いい事考えた。」
「神峰君?」
寝てやがった仕返しに、
「実行委員にしてやる。」
俺の考えている事が分かったのか、
「まぁ、程々にね〜‼︎」
笑いながら、練習室をでていった春咲。
「寝てたってなんなんだよ。
ってか、面白すぎじゃねぇか。あれで寝てたのかよ。
そういうところが危なっかしくてほおってられないんだよな。」
…今俺何言った?またかよ。
くそっ。
混乱を消すように、ピアノへ向かった。