君色のソナチネ
「ほら、貸せよ。」
そう言って、わたしから半ば強引に紙とシャーペンをとると、スラスラと書き始める。
「俺も、ミュージカルとか専門的なことはよく分かんねぇけど、役割分担はこんなもんじゃねぇか?」
そう言って、渡してきたメモ。
…凄い。
みんな適任だ。
こいつ、本当に転校してきたの?
俺様のくせに、本当にみんなをよく見てる。
「朝のHRの時に、担任にまるまる時間もらって、文化祭の説明、ミュージカルの説明とそれぞれの役割を発表した後に、その内容まで決めれれば十分だろ。」
「…うん。神峰、ありがとう。」
「あぁ。その代わり、俺は口を出さないからな。」
あぁ、そうですか。あとは私がやりますよーだ。
でも、結局それって、お互い様だってことだよね。
なんだ、お礼を言った私がバカみたいじゃないか。
まぁ、いいや。
このメモをもとに、適当にやればいいんでしょ。